ご存じですか? 令和2年分確定申告からの改正事項について

改正事項についての詳細版サイト「令和2年分所得税の確定申告」です。
令和2年分所得税の確定申告
https://r2.1.tax-spread.com/

 

平成30年度の税制改正により、令和2年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告(令和3年3月申告分)から、大幅な改正事項が適用されることが既に決まっています。
また、令和2年度の税制改正により、令和2年分からひとり親控除の創設及び寡婦控除の改正等が追加されました。
多くの方に影響があると思われる改正事項の主なものを掲げてみました。

 

給与所得控除の改正
給与収入から差し引きする給与所得控除額が一律10万円減額されました。
また、給与所得控除額の上限額が改正前の220万円から195万円に減額され、その上限額が適用される給与収入が850万円(改正前:1000万円)とされました。

 

これは特に給与収入が850万円を超える層の給与所得者にとっては、影響の大きい改正事項となります。

 

所得金額調整控除の創設
給与所得の計算について、@給与収入が850万円を超え、年齢23歳未満の扶養親族や特別障害者等を有する人やA給与所得と公的年金等に係る雑所得の両方を有する人を対象に給与所得控除適用後の金額から所得金額調整控除額を差し引く制度が創設されました。

 

公的年金等控除の改正
公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が1000万円以下の場合、公的年金等の収入から差し引きする公的年金等控除額が一律10万円減額されました。
(公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が1000万円超の場合は、上記の合計所得金額に応じて20万円又は30万円減額されます。)

 

公的年金等控除額が減額されたうえ、公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額によって控除額が変わる複雑な計算になります。

 

基礎控除の改正
基礎控除額の変更(38万円から48万円に10万円増額)のほか、今まで一律に適用されてきた基礎控除額が合計所得金額2400万円を超えると段階的に減額され、2500万円を超える人は基礎控除を受けることができないこととされました。
今まですべての申告者にあった基礎控除が一律に適用されなくなります。
また、基礎控除額が48万円に増額されたことに連動して配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除などの人的控除の合計所得金額要件もそれぞれ10万円引き上げとなります。

 

青色申告特別控除の改正
青色申告者で、取引を正規の簿記の原則に従って記録している者に係る青色申告特別控除額を65万円から55万円に10万円減額する一方、次の要件のいずれかを満たす場合にのみ青色申告特別控除額を65万円とすることとされました。
@仕訳帳及び総勘定元帳について、いわゆる電磁的記録の備付け等を行っていること。
A確定申告書、貸借対照表及び損益計算書を電子申告(e-tax)により期限内に提出すること。

 

改正後は、確定申告書及び貸借対照表の記載をした青色申告決算書を電子申告(e-tax)を利用しないで書面で提出した場合は、期限内に提出しても@の要件を満たさない限り、青色申告特別控除は従前の65万円から55万円に減額になります。

 

その他
給与所得の特定支出控除の改正などがあります。

 

(令和2年度の税制改正で追加)
ひとり親控除の創設及び寡婦控除の範囲の見直し
婚姻歴の有無や性別にかかわらず、生計を一にする年齢23歳未満の扶養親族を有する一定の単身者についてひとり親控除(35万円)が新たに設けられました。
(合計所得金額が500万円以下である等の要件があります。)
ひとり親控除の創設に伴い、寡婦控除の範囲と要件の見直しがされました(合計所得金額が500万円以下である等の要件があります。また、寡夫控除は上記のひとり親控除に含まれることになりました。)。

 

これらの改正の内容については、国税庁HPに掲載されている「平成30年分 所得税の改正のあらまし」及び「令和2年度 所得税の改正のあらまし」などで確認することができます。

 

改正事項の調べ方については、メニューの国税庁ホームページ利用法「#4 改正事項のチェック法」も参考にしてください。